2008年09月17日

『死神の精度』 伊坂幸之助著

有名な伊坂幸之助の『死神の精度』。
この本は金城武主演で映画にもなった。

「千葉」と称した死神が
人物に死を与えるかどうか
調査するのだが。。。

この本の好きなところは
各短編で出てくる人達が
クロスオーバーしているところだ。

伊坂氏のお得意とする処方だそう。

やはり物語を読むという行為は
自分以外の人生を疑似体験することのような気がする。

だから必然的に各キャラクターに
ちょっとした愛着を感じでしまう。
そしてちょっと忘れた頃に
再び現れると切なくなるのだ。

だから彼の作品をもっと読みたい。
そう思ってしまうのかもしれない。

兄に『ラッシュライフ』を薦められたとき
なんとなく読む気がしなかったけど
実際読むと面白かった。
その後『オーデュボンの祈り』や
『重力ピエロ』と読んだが
やはりどこかがクロスしている。

つい自分の人生とつなげてしまい
死神の千葉にもあきれられそうだが
人生は「Link」しているんだと
感じないわけにはいかない。

だから私は出逢った人達で少しでも惹かれる人達には
自分からLinkを強くするよう努力する。

本を読むという行為も
自分を発見させるものなんだな。。。
ここまで書いていてそんな結論にたどり着いた。

死神.jpg
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2008年09月16日

『精霊の守り人』シリーズ 上橋菜穂子著

NHKでアニメも放送している
上橋菜穂子氏のファンタジーシリーズ。

このアニメでL'Arc-en-Cielの曲が使われているから
ずっと読んでみたかった。(単純)

今文庫本で出ているのは
主人公チャグムとバサラが
最初に出会って旅をする
『精霊の守り人』、『闇の守り人』
『夢の守り人』、『虚空の旅人』の4作品。

精霊.jpg 闇.jpg 夢.jpg 虚空.jpg

日本のファンタジーを馬鹿にしてはいけない。
これは漫画・アニメ好きだったり
ドラクエのようなゲームが好きだったりすると
非常にはまりやすいかもしれない。

悪は悪、正義は正義と描かれてはいるけど
でもやはり悪の中にある「良」の部分も
描かれていて複雑な人間という生き物を描いている。

天文学、呪術などリアルな人間世界でも
話が通じる事を沢山含みながらも
ファンタジーの旨みがしっかり入っている。

トールキンの『指輪物語』とも似ている
アジア版とでもいおうか。。。

毎回このシリーズを読んで涙するのは
人が他人の為に命をかけている姿だ。

今、親が子を、子が親を殺したりするニュースが飛び交う。
そんな世の中でも、こういう他の人のために
自分の身を傷つける覚悟がある人達はいると思う。
それを改めて認識させてくれる作品だ。

このシリーズは10作品ほどあるらしい。
早く続きが読みたいシリーズである。
posted by nisse at 22:24| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月14日

徳川家の歴史本 3タイトル

もともと歴史は好きである。
特に幕末。新撰組をはじめ
多くの若者の情熱に心打たれる。

もちろん徳川家の話にも興味がある。

そんな中、最近とても面白い
徳川の本を読んだ。

古川愛哲氏著の『九代将軍は女だった!』(講談社+α新書)

九代将軍.gif

よくあるっていったらあるかも知れない。
歴史上の男性を女性とする話。
沖田総司が女だったらとか?!

でもこの本の面白さは
きちんと科学的根拠とでも言おうか
データに基づくもので証明しているのです。
例えば骨盤の大きさとか。

真実がどっちでも実はかまわない。
ただ歴史が塗り替えられるということや
隠れていた事柄が表に出される。
なんだか浪漫を感じる。

ちなみにこの本を読むちょっと前に
『徳川慶喜家の食卓』(文春文庫)ということで
徳川幕府最後の将軍である
15代将軍徳川慶喜のひ孫である著者の
食べ物のこだわりを慶喜公とのエピソードを絡め
つづっている本である。

食卓.jpg

大変質素な食事。甘いもの大好き。
コーヒーへのこだわり等、興味深い話が盛りだくさん
この本には詰まっている。

これも私のイメージする徳川家と
ちょっとばかり違うので
なんだかリアルな人間味を感じ
とても共感をもてる作品である。

歴史的話としては田安徳川家の系列である
第11代当主の徳川宗英著の
『徳川家に伝わる徳川四百年の内緒話』(文春文庫)も
非常に面白く読ませていただいた。

内緒.jpg

どう考えても歴史的に有名なこの一族の
苗字をついで行く人達の心も知ることが出来
歴史を身近に感じることが出来る。

どれもこれもそれぞれ面白い歴史を描いた本である。
もう少し徳川家の歴史を知りたくなった。
ついでに江戸城にも入りたい・・・
posted by nisse at 23:28| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『最悪』奥田英朗著

前にも書いた奥田英朗さんの本『最悪』。
会社の方が絶賛していたので読んでみたのだが・・・
非常に面白いっ!!!

間違えたらチンピラのように見える青年、
いい子でいようとストレスの日々を抱える銀行員の女性、
これからの事を考えて設備投資をするかで悩む工場社長。

それぞれの人生が進んでいき
次第に絡まりあう3人。
3人がそれぞれ巻き込まれる事件の結末は。。。

話はさておき(?!)、奥田氏の表現。
やはりこれは素晴らしい。
「イン・ザ・プール」や「空中ブランコ」でも
その素晴らしさに感動していたけど
今回も表現力に脱帽。
言葉の力というものを信じずにはいられない。

そのシーンを映し出した映像が
勝手に頭の中へ流れ込んでくる。
すごくリアル。すごく痛いくらいに。

「最悪」を読んだ後、もしや自分がその場で
一緒に事件を経験したかと勘違いしてしまうほど。

キラキラと生きた言葉を生み出す奥田氏。
とても尊敬してしまう。

ほかの作品もまた読んでみよう。

いい本に出会ったことに感謝。

最悪.gif
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2008年03月15日

『イン・ザ・プール』、『空中ブランコ』 奥田英朗著

ずっと気にはなっていたけど
購入が後回しになっていた本『イン・ザ・プール』。

駐車場の為に購入した金額が足りなくて
ちょうどいい値段のこの本を手に取った。

 内容(「BOOK」データベースより)
 「いらっしゃーい」。
 伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、
 甲高い声に迎えられる。
 色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。
 そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。
 プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変だが、
 治療する医者のほうがもっと変。
 こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か。


「…こいつ、すっげぇ!」

思わずそんな言葉を口走るくらい
めちゃくちゃ面白い!
展開自体は想像できなくはないものかもしれないけど
何がすごいって伊良部を描き出す文章。

彼の指一本一本も頭にイメージが浮かんでくる。

迷わず二冊目の『空中ブランコ』も即座に購入。



……やっばぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!

やっぱりこの伊良部を描き出している文章が
めちゃくちゃ素晴らしい。

患者なくとも何ともいえないこの伊良部という
精神科の医者に心を開いてしまいそう。

いや、もう私はすでに心の中の伊良部に
自分の全てをさらけ出していると思う。
読みながら何度自問自答しただろうか。
何度空想の伊良部に語っていただろうか。

素晴らしいシリーズだと思う。
早く次の作品を文庫本にしてもらいたいものだ。

ちなみに舞台でもやるみたい。
でも観ないつもり。
自分の頭の中でのイメージ以上の伊良部はないから。

ちなみに露出魔看護婦まゆみちゃんを
サトエリがやるらしい。
私の中で一番近いまゆみちゃんは
もう少しだけ胸のある中島美嘉だけどね。

インザプール.jpg  空中ブランコ.jpg
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2008年01月07日

『考えるな!人のアイディアを使え!』 中山マコト著

営業に異動となってから
日々自分のアイデア不足に悩む。

今日本屋で偶然目にして購入。

中山マコト氏著の
『考えるな!人のアイディアを使え!』。

ようは自分だけで考えたって閃かない。
沢山の人との会話やWeb、雑誌などから
アイデアとなるネタを探し出せって感じの事を
とてもわかりやすく簡潔に書いている。

びっくりしたけど短い時間で、全部を読めちゃう。
でも要点はしっかりわかっちゃう。
素晴らしいなぁ、って思える本でした。

ちなみにその本の中に書いてある内容で
自分が読んだ本のピッときた文章を書きとめる事、
そしてリファレンスを書き出す事が書いてあった。

大学時代に自分のエッセイ用の為にと
ピンと来た言葉を書き留める癖があったけど
結構これって役に立つ癖だったんだと
ちょっと嬉しくなったりして。

本ってなんかいつもちょこっと勇気をくれる。

idea.gif
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2008年01月05日

Italy★イタリア

昔から好きな国、イタリア。

料理やファッションも好きだけど
一番好きなのはイタリアの文化・歴史。

大学時代、春休みは必ず母とイタリアへ。
大学3年の夏はサマーセッションを
わざわざイタリアで取った。
6週間のフィレンツェ生活。

毎回イタリアに行く度に
イタリアの長く興味溢れる歴史や文化
芸術などに強く惹かれる。

昨日TBSにて18:30〜22:50くらいまで
 新春超歴史ミステリー
 古代ローマ1000年史!!
 空前の巨大帝国全解明スペシャル
というのを放送していた。

作家・塩野七生さんの世界感を再現した
イタリア・ローマの繁栄と滅亡を伝える番組。

http://www.tbs.co.jp/program/rekishi_20080103.html

この番組を見ていたら、再びイタリア熱が再復活。

実はここ最近お気に入りの漫画も
イタリアを舞台にした総領冬実さん著の
『チェーザレ―破壊の創造者』。

チェーザレ・ボルジアを今までの書物と異なる視点で
描いている作品で、とてもチェーザレがかっこいい。

fuyumi.jpg

これを読み始めたら、フィレンツェとピサに
どうしても行きたくなった。

イタリアの何がどう私を駆り立てるのかわからないが
胸を熱くする何かをイタリアには感じるのだ。

・・・ということで、ハードブックで
塩野七生さんの本が家にあるが
文庫本で自分用に集めて読もうかと。

nanami.jpg

今度はいつイタリアへ行けるのだろう!
早く行って、再び歴史を肌で感じたい!
posted by nisse at 01:06| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月02日

『図書室の海』『蛇行する川のほとり』 恩田陸著

最近、恩田陸にはまっている。

といっても、まだ4冊目を読み終えたばかりだが。

立て続けに読んだ2冊。
ひとつは『図書室の海』(新潮社文庫)という短編集。
もうひとつは『蛇行する川のほとり』(中公文庫)だ。

好きな作品『六番目の小夜子』の番外編が載っているから
手にした『図書室の海』は、心に秋風が通り抜けるような
なんだか切ない気分にさせる話が詰まっている。

ハッピーエンド…でもないけど
だからといって辛い終わりでもない。

人生を生きていく上で何度も感じるであろう
どうしようもない空虚感が溢れてくる。

そんな気持ちの中でページを早くめくりたいけど
この話の世界を終わらせたくない。

そう強く思わせたのが『蛇行する川のほとり』。

各章ごとに語られる人間が変わる。
それぞれの語り手となる少女達のなんとも繊細な少女時代。
そんな瞬間の彼女達をとても上手に
壊れ物を包むように上手く表現をする。

この恩田陸という作者の少女の心の姿を表現する力には
なんとも素晴らしいのだろう。

そして悩める少女達はなんとも美しく儚く危なっかしく
また罪深き生き物なんだろうと感じてしまう。

そんな彼女達に会いたいときに是非読んでもらいたい作品だ。

onda_riku2.jpg onda_riku.jpg
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2007年07月29日

『鈍感力』 渡辺淳一著

知人に鈍感だといわれショックを受けていたときに
フォローのつもりか言われた。

「今流行っている『鈍感力』って本の中で
言っているような鈍感って意味だよ」

ということで、手にとってみた。

この著者、私は読んだこともなければ
ドラマ化されたドラマ自体も観たことないけど
『失楽園』とかが作品としてあがっている。

ようは「鈍感」だって悪くない、
むしろその方が人生楽しく過ごせるってもんだ、
といいたいらしい。

でも個人的には鋭い感覚を持っている人だって
楽しく過ごせるし悪いことばかりではない。
鈍感でももちろん悪いことではないし
結局「どっちでもいいぢゃん!」と思うばかり。

簡単に読めるけど、特に驚くことも書かれていないし
どうっていうことない本だというのが
正直な感想だったりする。

特に人には勧めないだろうなぁ…

donkan.jpg
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2007年07月07日

『砂の女』 安部公房著

最初なかなか状況がのみ込めなかった『砂の女』。
舞台が外国かとずっと思って読んでいた。

砂の中の生活を強いられてしまった男と
今までの日々よりの砂の中で
日々砂をおろしている日々を幸せに思う女。

状況を把握できないまま我慢をして
読んでいるとはまってしまう世界である。
まさに砂と砂の中の女にはまった男と同じ心境だ。

この不思議な感覚をなんと例えればいいのか。

最初は誰にも薦めないだろうと思っていた作品だが
本を閉じた時には薦めたくてしかたがなく思っていた。

作品自身も話の展開も
ある意味こわ〜い話である。


the woman in dune.jpg
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2007年06月26日

『ドナウよ、静かに流れよ』 大崎善生著

大崎善生さんの本の中で
私には異色に思えた作品。

ウィーンのドナウ川に身を投げた
33歳の男と19歳の女。

何故彼らが死を選んだのか。
何故彼らは死ななくてはならなかったのか。

短い人生の幕を下ろした少女に惹かれ
「私」という大崎さん自身が
たどり着く真実とは…

そんな内容の作品。
今まで読んだ大崎さんの作品の中で
ちょっと違和感のある悲しいお話。
いつもだったらもう少し希望の光というか
心にぽっと灯るものがあるのに
なんだか人の内面の愚かさや
傷に触れた気分で悲しかった。

でも何故かまた大崎さんの作品を
手にしたくなるのがまた不思議。

これぞ大崎ブルーを使ったマジックだ。

nagare.jpg
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2007年01月04日

『ビルマの竪琴』竹山道雄著

頭の片隅にある記憶。
幼い頃に観た映画『ビルマの竪琴』。
内容も何も覚えていない。

たった一つ覚えているのは

 ビルマの土は何故赤い?
 戦争での血のせいさ


そのような言葉と赤褐色の大地が映し出されたシーン。

そのせいで、昔から読むのを拒み続けていた本。

怖かったから。

30歳になってやっと今、勇気を持って読むことが出来た。

自分で勝手に思い込んでいたような内容とは少し違った。
確かに戦争の悲惨さは書かれていたが
決してそれが主となるてーまではないように思えた。

「人間としての生き方」

そんな事を問われているように思える。

ある者はビルマ人を野蛮、未開と言って馬鹿にし
ある者は自分の欲の為に戦争なんて愚かな事を始めた自分達よりも
日々に感謝し欲がない姿は尊いと称える。

私は断然後者の意見に賛成だ。
欲を持つな、ということを言いたい訳ではなく
余計な欲を持つことにより失う物は多い。
だからいつでもある物に感謝をし笑顔でいる彼らを崇拝する。

登場人物の水島が手紙にこう、認めている。

 「われわれはこうした努力をあまりにしなさすぎっました。
 こうした方面に大切なことが
 あるということすら考えないでいました。
 われわれが重んじたのは、ただその人が何ができるか
 という能力ばかりで、その人がどういう人であるか、
 また、世界に対して人生に対して、
 どこまで深い態度をとっていきているか、
 ということではありませんでした。
 人間的完成、柔和、忍苦、深さ、聖さ―。
 そうして、ここに救いをえて、
 ここから人にも救いをわかつ。
 このことを、私たちはまったく教えられませんでした。」
                    (本書 P189)

この言葉は私にとても強く突き刺さった。

自身に問いかけていかなくてはならない事柄が
またこの本のおかげで増えたようだ。


後書をよんで驚いたのは
この本は子供達のために書かれたもの、という事だ。

難しいように思えた。

でももしかすると、柔軟かつ感性豊かな子供たちの心には
とても素直に響く作品なのかもしれない。
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2007年01月02日

『孤独か、それに等しいもの』大崎善生著

再び、大崎ブルーです。

大崎善生氏の『孤独か、それに等しいもの』。

これは短編集なのですが
全てに共通するであろうもの。
それは「生」と「死」や「喪失」と「再生」。
これは大崎氏の物語によくみるテーマだと思う。

ちょっと前に読んだので微妙に忘れているんだけれども
なにはともあれ心をつかむのはこのタイトル。

『孤独か、それに等しいもの』

この一文が全てを物語っている話ばかりが詰まっています。

大崎ブルーを感じながらも
やはり何故か心が温まるというか
読んだ後の心のなかに灯る蝋燭の火くらいの
ちょっとした安心と暖かさが体全体を包みます。

人はそれぞれ孤独と背中合わせで生きている。
それは人を強くもするし、弱くもする。
でも何かをきかっけに一歩前進すると
目の前に何か違う風景が広がっているのです。

そんなイメージが頭をよぎる大崎氏の短編集。

もし隣に悩んで立ち止まっている人がいたら
そっと渡してあげたい、そんな素敵な本でした。

kodoku.jpg
posted by nisse at 19:09| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOKS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『You Tube革命』神田敏晶著

久しぶりに小説ではない本を読みました。

その名も『YouTube革命 テレビ業界を震撼させる
「動画共有」ビジネスのゆくえ』。

『Web2.0でビジネスが変わる』の著者である
ビデオジャーナリスト神田 敏晶氏が
ビジネスとしてのYou Tubeの可能性などを追求している本です。

私もYou Tubeのユーザーだったりするし
JASRACが各放送局にYou Tubeの著作権侵害に関して
レターが回ってきたことや
うちのようなマイナーTV局が今後CMをとったり
または視聴者を誘導するアイデアがあるか、と
私なりの考えで読んでみたけれども…
読み終わったら単なるYou Tubeユーザーとして
「そうだよね」「なるほどね」という
単純な感想しか頭に浮かんでこなかったかも。

でもよくよく考えると、やっぱり今のうちのTV局には
かなりかけている思想だったり
先を見越す力と言うものを痛感。

明日はないTV局かもしれないけれども
もう少しYou Tubeのビジネススキルを念頭に入れ
もう一度やれることはやろう、と思えました。

あまり感想になっていないけど…
You Tubeを良く知らない我が家の父や
会社のおっさん達に入門編としてお勧めしたい一冊です。

youtube.jpg
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2006年12月13日

『こころ』 夏目漱石著

私が初めて夏目漱石の文学を目にしたのは
小学3年生だった気がする。
3つ上の兄の教科書に載っていた『我輩は猫である』。
兄の居ぬ間にこっそりと教科書を開き
目に入ったあの有名な文章を初めて読んだ時の
あのなんとも言えない満足感。今でも忘れない。

でもそれ以降、漱石と時間を共に過ごすことがなかった。

今年に入ってやっと2冊読んだうちのひとつ。
それが『こころ』である。

前半は「僕」の日々、人生が語られ
後半は「僕」が敬う「先生」が「僕」に語ってくれる
「先生」の人生、何故「先生」がこんなにも
かたくなに他の人に心を閉ざしてしまっているのか。
そのようなことが「先生」の手紙より「僕」に語られる。

本を読み終わったあと、自分の胸に手をあてて問い質す。
果たして自分には「先生」のような
自分を嫌い、他人から距離を置く部分はないだろうか。

お金が絡むといい人が悪い人に変わること、
人は自己の利益のために人を蹴落とす時があるが
それはそれぞれ強くならなければならない時。
それでも人は悩むもの。

そういった事が頭をよぎる作品だった。

本を読み終わった後にふと立ち止まって
何かを自分に問いたてることのできる本というのは
読んだ後の充実感が異なる。
そういった意味では『こころ』はとても満足する作品だが
どうも人の心があまりにも複雑すぎて
単純な自分が情けなく感じてしまう作品でもあった。

kokoro.jpg
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2006年12月12日

『朗読者』 ベルンハルト・シュリンク著

父親が好きな小説の中の一冊。

大きく分けるとこの小説は2部にわかれている。

前半は15歳の少年ミヒャエル・バーグと
年上の女性ハンナとの激しい恋のお話。

そして後半は突如ミヒャエルの前から姿を消した
ハンナと意外なところで再会し
その後の事が綴られている。

何も余計なことは考えず、ただひたすら読んだ。
まさか後半にヘビーな題材が書かれていることは
想像もせずに、無心で読んでいた。
なぜ『朗読者』というタイトルになるほど
この話に朗読という行為が重要なのか。

この話の中のところどころに考えさせられる
「哲学」にも躓きながらひたすら読んだ。

はたして相手を考えたうえでの行動というのが
本当に相手にとって求めているものか、
相手にとって最も適切な行動なのか。
その行動は自己満足、または自己陶酔によって
起こした自分のための行動なのか。

最後の行を読み終えた後に心に残った
それらの疑問は未だ答えが見つからない。

roudokusha.jpg
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『白戸修の事件簿』大倉崇裕著

『白戸修の事件簿』を手にした理由は簡単だった。

自分と同じ苗字だから。ただそれだけ。

お人よしの学生「白戸修」が
その「お人よし」な性格の為に
事件に巻き込まれてしまう。
だが、その「お人よし」な性格のおかげで
どんどんと事件を解決していく。

ちょっとしたミステリー。うん。多分ミステリー。

テンポがよく、短編集だったのもあって
気持ちよくページを進めることができた。

本の中で主人公が「白戸」と呼ばれるたびに
なんだか変な気分がするのは
同じ苗字の私だけが感じるものだろう。

「お人よし」な性格がいい結果を生み出している
この本を読んでいると、やはり「お人よし」は
どんな困難も結果的に乗り越えてしまうのかな、と
妙に軽い気持ちになれてしまう。

人に優しくすれば、異なる形かもしれないけれども
それがいつか自分に戻ってくる。
自分がそれを望んでいようがいまいが。

なかなかのイージーリーディングな本だった。
読書をそんなにしない人でも楽しめる本であろう。

shirato_osamu_jikenbo.jpg
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2006年11月22日

『涙そうそう』吉田紀子 / 吉田雄生著

久しぶりに思いっきり本で涙を流した。

妻夫木聡、長澤まさみ出演の映画
『涙そうそう』の本である。

映画は観ていないけれど
TVスポットで何度か目にした
妻夫木聡が鼻を指でつまみ
涙を流しながらもこらえようとしている姿。

果たしてそんな姿が目に焼きついているからか
読みながら実在している妻夫木&長澤の姿で
イメージしながら話を読んでいるせいか
軽くページは進んでいった。

で、最終的には「号泣」の字が
本当にあてはまるくらい
夜中ベッドで読みながら涙した。

話としては血の繋がらない兄と妹の
恋愛とも取れるお互いを想う心が描かれている。

最後には悲しい別れが二人を待っているのだが
もしこのふたりにそのような別れが訪れなくとも
やはり破滅へと足を踏み入れることになるのかもしれない。
そう思うと運命に翻弄された二人の姿に
またもや涙してしまう。

そして何よりも心に響いたのは、相手を思いやる気持ち。
まだ年齢が若く精神的に比較的幼いせいなのか
それとも相手を強く想っているがうえなのか
若干まだ自分本位での相手を思いやる気持ちだったりする。
でも本来「人」と「人」とが「時」を共有する場合に
基本的かつ一番大切なことであることを思い知った。

兄妹、男女、そういったものよりも
人の心と心が共鳴しているふたりの姿がある。

最後の事件は若干違和感を感じたけれども
全体的にとても心に突き刺さった作品だった。


nada_sousou.JPG
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2006年08月27日

『しゃばけ』畠山恵著

なかなかアップできなかったけど
とりあえず忙しさの合間をぬって読んだ「しゃばけ」。
今回も新潮文庫の100冊シリーズからセレクト。

簡単に言うと、時代は江戸時代。
体の弱い薬屋の一人息子と妖怪達が
次々と起こる殺人犯を探し捕まえる。

で、ここで問題。

なぜ、この体の弱い薬屋の息子と
数々の妖怪がタッグを組んだのか。

もともと薬屋さんのスタッフに
妖怪のレベルの中でも結構の上のほうで
力のある妖怪が小さいころから
この息子の世話係としている。

そして体の弱い息子は両親が溺愛するあまり
少しの異変でも部屋に閉じ込めてしまう。
必然的に息子の遊び相手は鳴家だったり
屏風についている妖怪だったりする。

でもでも!それ以前にほかの人からは見えない
鳴家鬼のような妖怪も息子には見えるのか。

その答えと殺人犯の正体は・・・?!

実は何気なくとっただけの本だったけど
意外と予想に反して面白くて
あっという間に読み終わってしまった。

ふとみたら第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を
受賞していたようで・・・納得。

別に妖怪が怖くもなく、当たり前のように人との生活をしていて
昔の人たちは「自然現象」「非科学的」な事を
きっと妖怪として恐れていた。
そんな感覚も日本人の素晴らしいセンス。

「ファンタジー」という言葉で片付けてしまうのは
なんだかもったいないような気がする。

■「しゃばけ」シリーズ 公式ページ■
http://book.shinchosha.co.jp/shabake/

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2006年08月18日

『クロノス・ジョウンターの伝説』 梶尾 真治著

前に読んだけど、なんとなくずっと心に残っている一冊。

出会いは観にいったキャラメルボックスの舞台。

『黄泉がえり』や『この胸いっぱいの愛を』などの著者でもある
梶尾真治さんの時空を越える作品のひとつ。

映画になった上記2作品と同じように
胸に残っている事柄、人と再度出会うために
自ら「クロノス・ジョウンター」という
過去に物体を飛ばせる機械に乗り込む人々。
愛しい人を助けに行ったり、見たかった風景を見に行ったり…

このクロノスの欠点と言えば、長期にわたって
過去にとどまる事ができないのと
過去から戻る事はなく、未来に飛ばされてしまう、という事。

本に収まっている4作品の中の長め3作品を
キャラメルボックスは舞台にしていた。

舞台を観て、本を読んで心にといた事。

はたして今の生活を捨ててまで
私は過去に戻って成し遂げたい事はあるのか?

現時点では思い当たらない。

でもいつかそういう風に後悔したり
現状に不満や寂しさを感じる日がくるのだろうか。
…そんな日が来ないですむよう祈るしかない。

kuronosu2.jpg
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